・An Investigation into the Temperature Dependency of Rice Constituent Determination Using Near-Infrared Spectroscopy

2011 
An investigation into the constituent determination of goat raw milk such as fat, protein, lactose, solids non fat (SNF) and total solids (TS) by near-infrared spectroscopy (NIRS) was carried out. The spectra of milk samples were measured in the transmission mode using glass cells of 2mm, 5mm and 10mm thickness over a wavelength region of 650-1100nm. Milk samples were also measured by Milko-scan 133B and obtained values were used as reference. Calibration models of milk constituents were developed and validated with full-cross validation method. The following results were obtained: determination coefficient (r) was 0.62 and standard error of cross validation (SEVC) was 0.39% for fat, r=0.62 and SECV=0.22% for protein, r=0.11 and SECV=0.22 for lactose, r=0.35 and SECV=0.37% for SNF, r=0.64 and SECV=0.53% for TS. [Keywords] near-infrared spectroscopy, goat, raw milk 1.はじめに ヤギの乳質は、いくつかの要素により変動することが 知られており、特に種の特性、泌乳段階、遺伝、繁殖習 性、飼育方法、搾乳方法や生理状態などに深く関係して いる (AGANGA AAら、2002) 。搾乳中あるいは搾乳直 後に、乳質を迅速かつ簡便に測定できればこれらの関係 の解明がさらに進むことが期待できる。 近年、種々の分析機器が開発され、食品成分の分析に 威力を発揮している。そのなかで、牛乳成分分析に用い られる代表的なものとして、1乳脂肪・乳タンパク質・ 乳糖が赤外域で示す固有の吸収を利用する赤外線牛乳分 析計、2カゼインミセルの破壊後、ホモジナイザーによ り脂肪球の大きさをそろえ、その濁度から脂肪率の測定 をするもの、3色素法により蛋白質率を測定するもの、 4TS測定用に、マイクロ波加熱と電子天秤とを組合わせ た分析機器などがあげられる。1~3はAOAC (Association of Official Analytical Chemists )に公定法とし て採用されており、4も公定法に認定されるための作業 が進んでいる。しかしこれらは、装置が高価であったり 測定が煩雑であったり、測定項目が限られる、などの欠 点を有する。 近赤外分光法は、農産物や食品を構成するO-H、C-H、 N-Hなどの官能基の近赤外波長域における吸収スペクト ルによりそれらの成分あるいは特性を推定する非破壊分 析法の一種で、主として粉状の固体試料を対象にして開 発されてきた。1978年には、カナダ穀物委員会(CGC)およ び米国農務省穀物検査機関(USDA/FGIS)に小麦タンパク 質分析の公定法として採用され、その後、肉製品・青果 物・シリアルフード・タバコ・羊毛などの水分・脂質・ タンパク質・炭水化物の分析に用いられるなど、分析対 象・試料形態は多岐にわたっている(佐藤ら、1985)。 市販の近赤外分光分析計の検出器は、1100nm以下の波 長ではシリコン(Si)ディテクタが、1100nm以上の波長で は硫化鉛(PbS)とひ化ガリウムインジウム(InGaAs)ディ テクタが一般的に使われている。PbSとInGaAsディテク タはSiディテクタに比較して高価であり、また、温度特 性が大きいため、ペルチエ素子を使った電子冷却などに よりディテクタを一定温度に冷却する必要があるため、 分析計のコストを引き上げる要因となっている。Siディ テクタにはこれらの欠点がなく、低コストのため、測定 波長範囲はSiディテクタが使用できる1100nm以下であ ることが望ましい(夏賀ら、2002)。 そこで、本研究では、近赤外分光法を用いて、ヤギ生 乳の主成分である乳脂肪、乳タンパク質、乳糖、無脂固 形物(SNF)と全固形物(TS)の成分含量を、波長範囲 650-1100nmの透過モードで推定できないか、検討した。 2.材料と方法 (1)供試試料 本研究のヤギ生乳試料は、山形大学農学部附属やまが たフィールド科学センターの高坂農場で育成している経 産の 4 頭のザーネン種雌ヤギから採取した。ヤギの繁殖 期は、品種や飼育されている地域の緯度により違いが見 られる。日本ザーネン種は、秋口に繁殖期を迎え、早春 に子を産むような繁殖形態を持つと言われる。分娩前後 から乳腺でミルクを生産し始め、必乳期間は年間 200~ 300 日程度である。本研究のサンプリングは、2010 年 6 月 1 日から 7 月 30 日にかけて、1日1回、特定の時間帯 山形大学大学院農学研究科 に行なった。生乳試料は、ヤギ1頭から 100ml 程度採取 し、試料を直ちに冷凍保存した。すべてのサンプリング 終了後、冷凍試料を解凍し、半分を基準分析に、半分を 近赤外スペクトル測定に供した。 (2)基準分析 Milko-scan 133B (Foss Electric, Denmark )を用いて試料 の乳脂肪、乳タンパク質、乳糖、無脂固形物(SNF)と全 固形物(TS)の含量を測定し、基準値とした。本装置は、 前述1に基づく分析装置で、AOAC で公定法に採用され ている(夏賀ら、2002)。測定は冷蔵庫中で解凍し、40°C のウォーターバスで約 5min 加温した試料で行った。 (3)スペクトル測定 本研究では、光源に KBEX-151A (150W : Soma Optics Co. Ltd)を、分光器に SD1024DW (Ocean Optics Inc.)を、 入力・出力用光ファイバーに φ600 μm VIS/NIR (Ocean Optics Inc.)を用い、ソフトウェア OOIBase32 (Ocean Optics Inc.)によりスペクトルの収集を行った。光路長 2mm、5mm、10mm の 3 種類のガラスセルを用い、標準 板にテフロン板を使用して透過スペクトルを測定した。 測定条件は、積分時間と繰り返し回数を、2mm では積 分時間 5s×繰り返し回数 10、5mm では 25s×10、10mm では 50s×10 として、それぞれ測定し、平均スペクトル を記録した。 (4)キャリブレーションの作成と検証 短波長域(650-1100nm)では、目的成分による吸収は 第 2 倍音によるもので微弱であり重なり合っているため、 吸収ピークの同定は困難である。そこで、数個の吸収ピ ークを用いる線形重回帰(MLR)分析法ではなく、全波 長域を用いても多重共線性の恐れが少ないとされる PLS (Partial Least Squares)回帰分析をキャリブレーションの 作成に採用した(夏賀ら、2002)。統計解析ソフトウェア には The Unscrambler v9.8 (CAMO, Norway)を使用し、 full-cross validation 法によりキャリブレーションの作成 と検証を行った。図 1、2 に光路長 5mm と 10mm のヤギ 生乳試料のスペクトルを示した。スペクトルを詳細に検 討し、ノイズの影響が少ないと考えられる 750-1000nm でのみキャリブレーションの精度を検討した。 図 1 光路長 5mm の近赤外スペクトル(650-1100nm) 図 2 光路長 10mm の近赤外スペクトル(650-1100nm)
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