Development of Organic Dyes Having Intramolecular Energy Transfer Structure for Liquid Scintillato

2015 
核融合反応の様子を分析する上で、中性子計測は非常に重要な要素である。この中性子線検出 の際に課題となっているのが、反応中心から同時に放出される X線と中性子線の区別である。そ のためには非常に速い発光減衰速度を持つシンチレータの開発が不可欠である。そこで本研究で は、分子内エネルギー移動を利用することにより、発光減衰速度の速いシンチレータ色素の開発 を考えた。フルオレン色素をドナーとし、様々な色素の吸収、発光スペクトルからエネルギー移 動を起こすドナーとアクセプターの組み合わせの検討を行った。実際に分子内でエネルギー移動 を起こすような色素を開発し、その光物性を測定した。 図 1にフルオレン誘導体とアントラセン誘導体の分子構造を示す。図 2に示されるように、フ ルオレン誘導体の蛍光スペクトルとアントラセン誘導体の吸収スペクトルの重なっており、フル オレン誘導体からアントラセン誘導体へエネルギー移動が可能であることがわかった。また Stern-Volmerプロットから、非常に速いエネルギー移動速度を持つことがわかった。この結果に基 づいて、図 3に示す分子内エネルギー移動色素を合成した。その溶液の蛍光スペクトルにおいて、 フルオレン由来の蛍光が弱く、アントラセン由来の蛍光が強く観測されたことから、分子内で高 速なエネルギー移動が起きていることが示 唆された。現在、そのシンチレータ色素と しての詳細な物性について検討を行ってい る。 図 1 フルオレン誘導体及びアントラセン誘導体の構造
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