Analysis of Ball Surface Acoustic Wave Sensor Response to Wide Variety of Gases Using Gas Chromatography

2007 
近年、表面弾性波(Surface Acoustic Wave; SAW)を用いたセンサが注目されている。 山中らは球に励起される表面弾性波を用い、革新的な球型 SAW ガスセンサを開発した。そ のセンサは図 1 に示すように半径 10mm 水晶球表面に、ガス分子の吸着膜として Ni-Pb 合 金を蒸着し、Inter Degital Transducer(IDT)を取り付けたものである。IDT は 1.2mm 程 度の大きさで 2 つの電極からなる。これは圧電素子であり、弾性波を生成及び検出すること ができる。ガス分子が膜に吸着すると、球上を走る SAW は、ガスの分子量や濃度と対応し た位相及び振幅変調を受ける。そのような SAW は次の 2 つの特徴をもつ。 (1) IDT 長と球半径で決まる特定の周波数を持つ SAW は、図 1 のように回折によって広が ることなしに、同じ波束幅を維持したまま特定径路を伝播できる。(コリメーション 効果) (2) 球は幾何学的に端がないため、SAW は同じ経路を周回することとなり、実験において も数百回周回することが観測されている。 これら 2 つの特徴により、膜への分子吸着による SAW の変調は、その度合が小さくても、 周回する毎に積算されるため、多重周回後の信号は、高感度で検出できる。 山中らはこれらの性質を利用することにより、水素を 10ppm〜100%の広範囲な濃度を 応答時間 2 秒で検出する今までにない高感度ガスセンサの開発に成功した。 本論文で著者らは、混合ガスを検出するためのセンサを、ガス分離装置であるカラムと、 この球型 SAW センサを組み合わせることで実現し、そのガス組成の定量的な検出を可能に する新しいガスセンサを提唱した。図 2 は実際に 5 種類の混合ガスをカラムにより分離し、 SAW の振幅変化を表したグラフである。
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