A case of glycogen-rich clear cell carcinoma of the breast.

1998 
乳腺glycogen-rich clear cell carcinoma (以下GRCCと略す) は, 腫瘍細胞全体の90%以上が胞体内に多量のグリコーゲンを含んだ淡明細胞からなる乳腺腫瘍と定義され, 発生頻度は乳癌全体の約0.9~3.0%とまれである. 今回われわれはGRCCの1典型例を経験したので, その穿刺吸引細胞診像の特徴について報告する.症例35歳女性.平成8年1月初旬左乳房腫瘍を自覚し当院受診. 触診にて乳腺A領域にφ2×2cm大の硬い腫瘤が触知され, 画像診断上悪性が疑われた. 穿刺吸引細胞診でClass 4と診断され, 3月9日乳房扇状切除および腋窩リンパ節郭清術が実施された.組織学的には乳管内および浸潤部で, 胞体内に豊富なグリコーゲンを貯留する淡明細胞の増殖が認められ, GRCCと診断された.本例の穿刺吸引細胞診では, 境界が明瞭, 胞体は淡明で泡沫状から細穎粒状, 核は大小を示すが類円形, また単個で大型, 赤みを帯びた核小体の出現などが認められ, GRCCの典型とされる細胞診像に一致していた.GRCCの疾患独立性や分類の意義を疑問視する意見も存在し, その発生頻度の低さも加わって, GRCCの穿刺吸引細胞像はあまり一般には認識されていない.穿刺吸引細胞診によるGRCCの術前診断は不可能ではないと考えられるが, 今後さらに症例の積み重ねによりGRCCの診断意義, および独立性に関して検討する必要がある.
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