小学校における仲間による対立解消に焦点を当てた ピア・サポート・トレーニングの効果の検討

2016 
本研究では,小学校4年生を対象に,仲間による対立解消スキルに焦点を当てたピア・サポート・トレーニング(計10回)を約半年間にわたって実施し,その効果の検討を行った。対象となった児童は各学年単学級の小規模校に在籍しており,対人関係の固定化が課題視されていた。社会性,対立解消スキル,サポート入手可能性,サポート提供可能性,学級への適応感について,ピア・サポート・トレーニングの前後でどのような変化がみられるかとの観点からトレーニングの効果を検討した結果,社会性と対立解消スキルにおいて統計的に有意な平均値の上昇がみられた。また,各変数のトレーニング前の測定値により高群・低群別に変化を検討したところ,下位群においてはすべての変数について上昇が確認された。このことから,特に実施前の測定値の低い参加者にとって効果が大きいことが示された。
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