Sialidase in rat salivary glands. Characteristics of soluble sialidase in salivary glands and other tissues

1989 
ラットの顎下腺と耳下腺さらに脳, 肝臓および腎臓の可溶性シアリダーゼについて, 熱安定性, 金属イオンの影響を検討し, さらに分子量および等電点を比較した。いずれの組織の可溶性シアリダーゼも, 非常に不安定であり, 60℃の熱処理により著しく活性は低下し, 40℃, 1時間の熱処理では52~84%の活性の低下がみられた。可溶性シアリダーゼに対する金属イオンの影響について検討した結果, 低濃度のCa2+は顎下腺と耳下腺の酵素を活性化させる傾向があり, さらに顎下腺の酵素は低濃度のMg2+によっても活性化される傾向がみられた。しかしCa2+とMg2+は, 他の組織の酵素に対しては影響をおよぼさなかった。一方, Cu2+とHg2+は, いずれの組織の酵素に対しても強い阻害を示した。Sephadex G-200によるゲル濾過から, 各組織の可溶性シアリダーゼの分子量を概算した。その結果, 顎下腺の酵素は約68,000, 耳下腺と脳の酵素は約46,000, 肝臓の酵素の分子量は約43,000であった。一方, 腎臓では主要な酵素の分子量は500,000以上であり, そのほかに分子量が約46,000の2つの酵素の存在が認められた。等電点分画による結果から, 顎下腺では3種類, 耳下腺では2種類のアイソザイムの存在が認められ, 主要な酵素の等電点は, 前者では6.4, 後者では6.9であった。脳と肝臓の酵素の等電点は6.7であったが, さらに等電点の低いアイソザイムの存在が認められた。また腎臓の主要な可溶性シアリダーゼの等電点は4.4であり, 他の組織の酵素とはかなり異なる等電点をもつことが明らかとなった。
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