図画工作科・美術科における教科固有の能力に関する検討 : 発想プロセスの可視化を手がかりに

2017 
図画工作科・美術科固有の能力を形成する「発想」がどのようにして生まれ,促され,構想へと高まっていくのか,実際の授業場面でそのプロセスを可視化することは容易ではない。そしてこれが,美術教育に関する専門性や経験の十分でない多くの指導者にとって,この教科の指導を困難なものとする一因にもなっている。そこで,小・中学校の様々な発達段階の児童・生徒を対象とする具体的な授業実践を通して,絵画及び立体表現における発想プロセスの可視化を図るとともに,これを手がかりに「発想や構想の能力」を高める上で効果的な授業構想や手立ての在り方について探ることを目的に本研究に取り組んだ。学習過程を横軸,発想喚起要素(題材の特性にかかわる要素と技能的要素)を縦軸としたマトリクス表に基づく題材分析,発想を促すことに焦点化した手立ての吟味,ポートフォリオを活用した経過観察,そして個別に実施した自己評価アンケートの分析を通して,発達段階による発想の広がり方の違いや,発想に影響を与える様々な要素(鑑賞,材料,用具,協働的な学び等)についてある程度の知見を得ることができた。
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