フッ素四ケイ素雲母(KMg2.5Si4O10F2)の熱分解

1989 
フッ素四ケイ素雲母(KMg2.5Si4010F2の熱的特性を明らかにするために, 各種粒度の粉末と大型結晶を試料として用い, 大気中における熱分解反応を等温熱重量法により研究した。各試料 (大型結晶 : 5×5×0.02mm, 42~80 メッシュ, 80~200 メッシュ, -325 メッシュ) の等温加熱 (1000~1100℃) による減量曲線はすべて減速型であった。また, 加熱による各試料の最終減量値は 6.35% であり, 粒径が小さく, 温度が高いほどその値に速く到達した。熱分解による揮散物はおもに四フッ化ケイ素 (SiF4) で, その量は最終減量値と同様に 6.35% であった。最終減量値を示す試料では, 雲母相は完全に消滅し, 熱分解によって生成したフォルステライト (Mg2SiO4)相だけが認められ, その量は 35.0% であった。これらの値に基づいて, フッ素四ケイ素雲母における熱分解の反応式を導くと次式が得られた。KMg2.5Si4O10F2 → 0.25 SiF4 + 1.0Mg2SiO4 + 1.0 非結晶 (K-Mg-Si-O-F)この反応は二次元型界面律速反応式 [F(α)=1-(1-α1/2=kt] によってきわめて適切に説明され, 熱分解反応が母結晶と分解物との界面の前進の形で進行することを示唆した。熱分解反応の見かけの活性化エネルギーの値は 146±16kJ/mol であった。
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