[The anti-inflammatory effect of auranofin].

1985 
新しい抗リウマチ剤として開発された経口金製剤であるauranofinの抗炎症作用を各種動物実験モデルを用いてindomethacin,gold sodium thiomalate(GST)およびD-penicillamineと比較検討した.auranofinは,カラゲニン足浮腫に対し,indomethacinと同等の抑制効果を示すと共にindomethacinが効き難いデキストラン足浮腫やCon A足浮腫をも抑制した.しかし,紫外線紅斑に対する作用はindomethacinの作用より明らかに弱かった.auranofinはアジュバント関節炎に対しても有効であったが,その作用はindomethacinよりも弱かった.しかし,本剤はindomethacinが効き難いラットアルサス型足浮腫や逆PCA反応に対して抑制効果を示した.in vitroの実験では,indomethacinと異なりcyclooxygenaseには全く作用せず好中球やマクロファージのケモタクシスおよびライソゾーム酵素遊離を抑制した.従ってauranofinはindomethacinとは異なる機作で抗炎症作用を示すものと思われる,auranofinは酢酸writhing法およびRandal1-Selitto法の炎症足でindomethacinと同等の鎮痛作用を示した.しかし,これら薬剤はRandall-Selitto法の非炎症足およびマウスのHaffner法においては全く作用を示さずその鎮痛作用は抗炎症作用に伴う末梢作用を介して発現すると考えられる.auranofinはイースト発熱ラットでindomethacinと同等の解熱作用を示したが,その機作については不明である.なお,GSTはauranofinと同様の抗炎症鎮痛作用を示したがその作用は,auranofinと比べ弱く,さらに解熱作用は認められなかった.これに対しD-penicillamineには,抗炎症解熱鎮痛のいずれの作用も全く認められなかった.
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