Effects of tiropramide hydrochloride on the isolated detrusor and intravesical pressure of the bladder in situ in rats.

1992 
ラットの摘出膀胱筋および生体位膀胱内圧に及ぼすtiropramideの効果をフラボキサート,オキシブチニンおよびテロジリンのそれと比較検討した.摘出膀胱平滑筋において,tiropramide(10-5M,5×10-5M,10-4M)およびフラボキサート(2×10-5M,3×10-5M,5×10-5M)は,用量依存的にカルバコールの用量反応曲線を下方に,テロジリン(6×10-6M,2×10-5M)は右方および下方に移動させたが,オキシブチニンは10-7Mの濃度では平行移動的に右方へ移動させた.tiropramide,フラボキサート,テロジリンのカルバコール収縮に対するそれぞれの平滑筋弛緩薬のIC50値(×10-5M)は3.6,4.4,2.2,K+(60mM)収縮の初期収縮相に対しては4.2,6.4,2.2,Ba2+(10mM)収縮に対しては5.8,4.1,2.0であった.オキシブチニンのK+収縮初期相およびBa2+収縮に対するIC50値(×10-5M)はそれぞれ2.3,3.0であった.摘出膀胱平滑筋の電気刺激誘発収縮に対するtiropramide,フラボキサートおよびテロジリンのIC50値(×10-5M)は,それぞれ2.9,5.7,1.5であった.また,オキシブチニンは10-7Mの濃度で約16%抑制したに過ぎなかった.律動的膀胱収縮は,4種の平滑筋弛緩薬の静脈内投与(2mg/kg,4mg/kg)により抑制され,その効力はオキシブチニンが最も強く,tiropramide,フラボキサート,テロジリンの間に統計的に優位な差は認められなかった.十二指腸内投与(30mg/kg,60mg/kg)ではフラボキサートはほとんど効果を示さなかった.4種の平滑筋弛緩薬(8mg/kg,12mg/kg,i.v.)は排尿反射の発現時間を用量依存的に抑制したが,tiropramideの効力と他の3種の薬物の効力の間に統計的に有意な差は認められなかった.切断した一側の骨盤神経の中枢または末梢断端の電気刺激による膀胱収縮をtiropramide(8mg/kg,16mg/kg,i.v.)は同程度に抑制した.上記の結果はラット膀胱機能に対するtiropramideの作用は主として膀胱平滑筋に対する直接作用に起因し,その効力はフラボキサートより強く,オキシブチニン,テロジリンよりやや弱いことを示唆している.
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