Identification of discharge components by means of oxygen and hydrogen isotopic ratios and chloride and sulfate ion concentrations in a river source region.-A case study of Taihei river, Akita, Japan-

2005 
河川源流域における降水の河川への流出過程を理解することを目的として,降水と河川水の酸素及び水素同位体比ならびにCl- 及びSO42- 濃度を測定した結果,次のことが判明した.降水については,林内では林外よりも同位体比,化学成分濃度の両方が高くなり,樹葉上での蒸発あるいは付着した乾性降下物の溶出によると考えられる.河川水については,同位体比及び化学成分濃度が年間を通してほぼ一定であり,流出する地下水の貯留量は十分に大きく均一であることを示す.しかし,融雪期や短期間に著しく多量の降水があった時は,それらの影響が河川水に現れ,特に化学成分濃度に強く影響する.降水の直接流出成分の割合を河川水の同位体比あるいは化学成分濃度の変化から推定する場合,基底流出する地下水成分について降水開始前の河川水の値,また直接流出する降水成分について降水(林外)の平均値を用いると,同位体比による値と化学成分濃度による値に差が生じ,2つの流出成分の濃度設定が適当でないことを示す.また,降水の流出割合が最高に達した後の減少期にはCl- 濃度とSO42- 濃度による推定値に差が生じ,第3成分の流出が示唆される.
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