Analysis of genetic diversity and population structure in Pyricularia oryzae collected from western Japan using SSR markers.

2012 
日本産のイネいもち病菌を標的に選抜した12種類のSSRマーカーについて,4マーカーずつ3セットのマルチプレックスPCRを開発した.2001年に西日本の16県から採集されたいもち病菌について,12種類のSSRマーカーを用いて遺伝的多様性と集団構造を解析した.供試した293菌株からは,265のハプロタイプが検出され,マーカーあたりのアリル数は2から36(平均14.3)となり,きわめて高い遺伝的多様性が観察された.次に,10県におけるペアワイズFSTを算出した結果,0.002から0.275の範囲の値を示し,集団分化のレベルが県間で大きく異なることが明らかになった.Mantel testを実施した結果,遺伝的距離と地理的距離(69~539 km)との間に有意な相関が認められた(r2=0.224, P=0.004).これらの結果から,隣接する県間では活発な胞子飛散や種子の移動などによって遺伝子流動が大きい一方で,離れた県間では,それらが制限されていることが推察された.以上より,選抜したSSRマーカーは,いもち病菌の集団遺伝学的研究に有用であることが示された.
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