Fossil Energy. Effect of pH on Time Variation of Elution of Toxic Elements in Fly Ash Disposed from Pulverized Coal Combustor.

1994 
微粉炭燃焼灰層にpH=3, 5, 7, 11の緩衝溶液を連続的に透過させ, 灰中に微量含有されている有害金属元素であるAs, Mo, Pb, Vおよび溶出液にアルカリ性を付与するMg, Caを対象として溶出挙動を検討した.対象としたほとんどの元素において, 実験開始1時間後までは急速な溶出がみられたが, その後はわずかな溶出にとどまった.これは石炭灰中の各元素の形態 (化物種) により, 溶出が容易な部分と困難な部分の存在を示唆している.溶出率はXt/ (1+Yt) なる時間tの関数で定式化することができた.なお, この式でXは初期最大溶出速度を, X/rは最大溶出率を表す.すべての元素において初期最大溶出速度および最大溶出率は, 浸出液のpHが低くなるにつれ大きくなった.なかでも, pHによらずAs, Moは高い溶出率を示した.Asなどの揮発性の高い元素は, 石炭の燃焼過程において灰表面に凝集するため, 容易に溶出すると考えられる.また, 初期溶出速度と最大溶出率に相関関係がみられた.
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