Enhancement of Culture Efficiency by Reducing the Density of Anthers and by Blotting the Liquid Medium Adhering to the Calli with a Filter Paper in Floating Anther Culture of Rice

2005 
イネの浮遊葯培養において,カルス誘導時の葯密度(培地1 ml当たりの置床葯数)がカルス形成率におよぼす影響,およびカルスに付着した液体培地の除去が植物体再分化率におよぼす影響を明らかにした.生理的に均質な葯を供試するため,ポットに密植栽培したイネの主稈穂の特定位置の穎花から1核中期~後期の花粉を含む葯を採取した.1区当たり1000葯前後を供試し,カルス誘導(液体培地で35日間),カルス増殖(寒天培地で7日間),植物体再分化(寒天培地で60日間)の三段階培養法で培養した.水稲品種「キタアケ」の葯を,0.9葯/ml ~ 12葯/mlの範囲で5段階の密度で液体培養しカルスを誘導した.カルス形成率は,0.9葯/ml ~ 6葯/mlの範囲では葯密度の低下に伴ない増加したが,6葯/mlと12葯/mlとの間では明らかな傾向が認められなかった.カルス誘導時の葯密度は緑色植物再分化率に影響しなかった.次に,水稲品種「キタアケ」および「きらら397」の葯を供試し,液体培地で誘導したカルスを寒天培地に移植する時に,カルスに付着した液体培地を1 ~ 2秒間濾紙で除去すると,除去しなかった場合(慣行区)に比べて緑色植物再分化率が13 ~ 18%増加した.以上の結果より,イネの浮遊葯培養の効率は,カルス誘導期に3葯/mlあるいはそれ以下の葯密度で培養すること,および液体培地で誘導したカルスを寒天培地に移植するときにカルスに付着した液体培地を濾紙で1 ~ 2秒間除去すること,によって高められる.
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