[Clinical study on postoperative steroid hormone replacement for preclinical Cushing's syndrome].

2009 
(目的)1996年にプレクリニカルクッシング症候群の診断基準が作成され,手術数も増加しているが,術後のステロイド補充について一定の見解はない.今回,本症の術後ステロイド補充の現状を検討するため,最近の手術症例のretrospectiveな検討を行った. (対象と方法)対象は1997年から2007年までに手術を施行された本症の18例で,ステロイド補充は5例が未施行,13例に施行されていた.これらの術前副腎皮質シンチと術前ACTHの面から,補充の適応を検討した. (結果)術前ACTH基礎値の抑制例を18例中10例(56%)に認めた.副腎皮質シンチで健側の集積抑制が13例にみられ,この群にACTH抑制例も多くみられた.補充期間は平均19.8週で,術前ACTH値が低値なほど,離脱に時間がかかる傾向がみられた.また,補充開始量が少ないほど補充期間は有意に短かった. (結論)本症は,コルチゾールの自律性分泌による健側副腎や下垂体機能の抑制があると,術後に副腎不全をきたす可能性がある.補充の指標として副腎シンチおよび術前ACTH値が重要であり,両者ともに抑制所見がなければ補充は必要ないと考えられた.ステロイド補充量は,最近では腹腔鏡下手術の低侵襲を考慮し減量しているが副腎不全兆候はみられていない.症例を選択し,補充開始量を少なくすることで安全に離脱期間を短縮することが可能と考えられた.
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