Survey of employment and rehabilitation problems in patients on regular hemodialysis-assessment of social support and psychological care.

1993 
透析患者の社会復帰状態を把握し, 問題点を明らかにするため, 7施設で調査を実施した. 労働年齢の維持透析患者280名を対象に, 社会復帰状況を調査し, 心理テスト (Y-G性格検査, 日本版CMI, SDS, MAS) を施行した. 結果として, 166名 (59.3%) の者が社会復帰を果たしていた. 社会復帰を果たしていない者は87名 (31.0%) であった. そのうち16名の者が, 求職の意志すらなく, 就職活動をしていなかった. 今回の調査ではこの16名の中で, 調査に協力の得られた15名を非求職群とした. また就業の意志はあるが適当な職がなく, 社会復帰を果たせないでいる者は19名であった. この中から同様の理由で15名を求職群とした. まず, 非求職群と完全社会復帰群との間で社会復帰の妨げとなりうると考えられた社会的因子 (性別・年齢・透析期間・学歴・婚姻状態) を比較した. 次に完全社会復帰群の中から非求職群と求職群に対しては各々30名ずつの社会的因子に関してのマッチドコントロール群を抽出した. その上で各心理テストの結果を, 非求職群とそのコントロール群, 求職群とそのコントロール群との間で比較した. 結果として非求職群は, 完全社会復帰群に比し, 有意に男性, 配偶者のいない者の割合が多く, 比較的透析期間が短い者が多かった. 更に低学歴も社会復帰を妨げる因子のひとつになっている可能性も示唆された. また完全社会復帰群から抽出した社会的因子をマッチさせたコントロール群との比較では, 非求職群に神経症傾向・抑うつ傾向・不安傾向の高い者の占める割合が高かった.今回の調査で, これら不安が強かったり, 意欲に問題があると考えられる社会復帰を果たしていない透析患者に対し, 社会的サポートや心理面でのケアが必要性であると思われた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []