Two cases of angiotropic lymphoma with difficulties to make a clinical diagnosis.

1998 
血管内で増殖し周囲組織への浸潤傾向をほとんど示さない特異な組織像を特徴とし, しばしば臨床的に診断が困難であるangiotropic lymphomaの2例を経験したので報告する.症例は38歳と77歳の男性であり, いずれも呼吸障害と脳神経障害を主な症状とし, 前者は肺生検, 後者は死後の剖検によりangiotropic lymphomaの確定診断がなされた. いずれの症例においても毛細血管よりやや大きな血管内に大型のリンパ腫細胞が塞栓状に増殖しており, 免疫染色の結果では, L26 (CD20) に陽性を示すBリンパ球系細胞の腫瘍性増殖であった. また, 細胞接着分子であるCD44もリンパ腫細胞に強く発現されていた.捺印細胞診では, リンパ腫細胞は大型で, 胞体は好塩基性で, 核はくびれなどの不整があり, 細穎粒状のクロマチンの増量, 複数の核小体がみられた. 細胞は孤立性あるいは結合性を示すかの様な小集塊で観察され, CD44の強い発現と合わせてリンパ腫細胞相互の接着性が示唆された. Angiotropic lymphomaはまれな疾患であり細胞診の報告もきわめて少なく, 今後の診断の参考となる2症例と考えた.
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