Cetuximab-mediated antibody-dependent cellular cytotoxicity activity against colorectal cancer cell lines

2008 
セツキシマブは上皮増殖因子受容体(EGFR)の細胞外ドメインに対するキメラ化抗体であり,大腸癌における効果が期待されている。セツキシマブはEGFR に対する直接阻害作用に加えて,免疫学的効果である抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性をもつことが特徴であるが,その詳細は十分には明らかにされていない。そこで,本研究では各種大腸癌細胞株に対するセツキシマブADCC 活性を検討した。大腸癌細胞株6 株を使用し,EGFR 発現量を定量的フローサイトメトリーを用いて調べ,セツキシマブADCC 活性との相関を検討した。ADCC 活性は4 時間51Cr 遊離法で測定した。さらに,IL−2 処理や大腸癌化学療法がセツキシマブADCC 活性に及ぼす影響も評価した。セツキシマブは,6 種すべての大腸癌細胞株に対して直接的細胞増殖抑制効果を示さなかったが,0.025μg/ml のごく低濃度で最大のADCC 活性を示した。大腸癌細胞株のEGFR 発現量とADCC は対数相関を認めた。また,ADCC 活性は末梢血単核球をIL−2 処理することにより増強された。経口フッ化ピリミジン系薬による術後補助化学療法後の大腸癌患者においてもセツキシマブADCC は影響を受けなかった。以上より,セツキシマブの大腸癌に対する抗腫瘍機序におけるADCC 活性の重要性が示唆された。
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