A Case of Laparoscopic Repair for Larrey-hernia Causing Duodenal Obstruction
2010
症例は76歳の女性で,変形性膝関節症治療のため他院入院中であった.嘔吐を繰り返し,食事摂取不能となったため上部消化管造影検査を施行したところ,十二指腸下行脚での造影剤途絶像を認めた.十二指腸閉塞の診断で精査加療目的に当科転院となった.画像所見より胃前庭部・十二指腸球部・横行結腸・大網を内容とするLarrey孔ヘルニアと診断した.腹腔鏡下に観察すると,肝円索左側に5×8 cm大のヘルニア門を認め,大網および横行結腸が右胸腔内へと脱出していた.胃前庭部および十二指腸は腹腔内へと自然還納されていた.ヘルニア内容を還納し,ヘルニア門を直接縫合閉鎖した.さらに,補強としてComposix Mesh®を追加固定した.術後は順調に経過しヘルニアの再発は認めていない.本症例は変形性膝関節症により臥床生活を余儀なくされており,肝硬変を有するリスクの高い患者であったが,腹腔鏡を用いた低侵襲手術で良好な結果をえることができた.
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