A Case of Actinomycosis of the Sigmoid Colon Associated with Non-rotation of the Midgut in Adult.

1992 
成人腸無回転症を伴った結腸放線菌症の1例を経験したので報告する.症例は54歳の女性.左下腹部痛と便秘を主訴に来院した.左下腹部に圧痛を伴う8×7cmの可動性のない腫瘤を触知した.注腸X線検査と大腸内視鏡で, S状結腸に境界不明瞭な全周性の内腔狭窄と粘膜面の粗大顆粒状変化を認め, 腹部computerized tomographyで左下腹部の腫瘤に一致して腸管壁の肥厚像を認めた.術前には炎症性腸疾患と結腸癌の鑑別ができず, 開腹術を施行したところ腸回転異常症 (non-rotation type) の合併が明らかとなった.腫瘤はS状結腸に存在し, 回盲部と横行結腸を巻き込み, それぞれに狭窄部を形成していた.回盲部からS状結腸までを切除し回腸瘻を造設した.組織学的に悪性像は無く, 腫瘤は線維化を伴う炎症性肉芽で, 多発した膿瘍の中心部に放線菌の菌塊 (sulfur granule) を認め, 結腸放線菌症と診断した.
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