Purulent pericarditis in two patients undergoing hemodialysis.

血液透析患者に合併した化膿性心外膜炎の2症例を経験した.症例1は約2年間, 症例2は約6か月間の安定した血液透析を受けていた. 持続的発熱, 胸部X線写真で心陰影の拡大を指摘され, 心エコー検査で大量の心嚢液の貯留を認めた. 症例2はショックのため入院後比較的短期間で死亡した. 症例1は持続的心嚢液排液, 心嚢開窓術を施行, 血液膿汁からEnterobacterが検出された. 排液不良のため心不全で死亡した. 剖検ではいずれも心外膜の線維性肥厚, 膿瘍形成を認め化膿性心外膜炎と診断した. さらに肝, 脾にも膿瘍を形成しており, 敗血症の存在が考えられた. 長期間の安定した血液透析を受けていたが心外膜炎を合併し, さらに敗血症のために化膿性心外膜炎を併病するに至ったと考えられる. 早期の診断および可及的外科的処置が必要と考えられた.