Expression of Decay-accelerating Factor on CD8-positive Lymphocytes as an Index of Aging and of Host Defense Function.

1996 
目的: 各年齢, 疾患群におけるCD8陽性T細胞上のDAF (補体制御膜糖蛋白; decay accelerating factor) の発現動態を解析し, 老化や生体防御機能の指標としての意義を検討した.対象と方法: 健常人59人, 脳血管性痴呆患者29人, アルツハイマー型痴呆患者39人, 癌患者21人, 慢性関節リウマチ患者24人, 全身性エリテマトーデス患者6人を対象とした. 末梢血よりリンパ球を分離し, CD8およびDAFのリンパ球表面抗原に対するモノクローナル抗体を用いフローサイトメトリーにて two color 解析を行った. 各々, CD8陽性T細胞に占めるCD8陽性DAF陰性T細胞の割合と, 年齢の相関を調べた. 相関のないものについては, 健常人との有意差検定を行った.結果: 健常人では, CD8陽性T細胞に占めるCD8陽性DAF陰性T細胞の割合と年齢は, Y=0.9246X+7.913で示される回帰直線であった. 相関係数は0.7177であり, その割合は年齢とともに有意な相関を持って増加した (p<0.01). 脳血管性痴呆患者では, CD8陽性T細胞に占めるCD8陽性DAF陰性T細胞の割合は年齢との相関を示さなかった. また, 健常人との間に有意差を認めなかった. アルツハイマー型痴呆患者と癌患者では, 同サブセットは年齢との有意な相関は示さなかったが, 健常人との間に有意差を認めた. 慢性関節リウマチ患者および全身性エリテマトーデス患者では年齢との回帰直線は有意な相関を示した. 前者では, 健常人の回帰直線との間に有意差を認めなかったが, 後者では, 有意差を認めた (SAS GLM procedure).結論: 免疫反応性が低下していると考えられる高齢者や各疾患群患者で, CD8陽性T細胞におけるDAF陰性T細胞の割合が高くなっていることが明らかとなった. 今後, CD8陽性DAF陰性T細胞について, 健常人と各疾患群患者との各年齢層における両者の解離や特異性を明確にすることにより, 臨床面での老化や生体防御機能の指標としての応用が期待されると考えられた.
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