A Case of Simultaneously Treated Thymoma and Lung Cancer.
2001
症例は72歳, 男性. 胸痛自覚し当科を受診した. 胸部X線, CTにて前縦隔腫瘍とそれに接した左上区に結節影を認めた. 画像所見からは, 術前に胸腺腫と原発性肺癌 (腺癌) と考えられ, 手術を施行した. 術中迅速にて結節影は肺癌との診断となり, 拡大胸腺摘出術と左上区切除術を施行した. 胸腺腫は正岡分類で臨床病期I期であり, 紡錘細胞型, リンパ球優位型であった. 肺癌は16×12×10mmの腺癌で, pT1 N0 M0 stage IAであった. 肺癌が増えている現状では今後本症例のように胸腺腫と肺癌が同時に発見されることが増えると予想された. また胸腺腫では長期経過観察で胸腺外悪性腫瘍の合併が有意に多いとされており, 肺癌を含め, 他臓器の悪性腫瘍合併について充分注意すべきと考えられた.
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