[Studies on hematological diseases in elderly patients. Part 4: Chemotherapeutic effect of aclarubicin (ACR) on acute nonlymphocytic leukemia in the aged].

1986 
高齢者白血病至適治療体系の確立を目的とし, 今回70歳以上の高齢者ANLLを対象に aclarubicin (ACR) 単独療法を試み, その臨床効果を検討した. 対象は未治療ANLL15例〔男女比13:2, 年齢71~84歳 (中央値76歳)〕で, 病型はAML6例, AMoL5例, AMMoL2例, EL2例でうち2例が hypoplastic leukemia であった. 入院時未血所見は各々中央値でRBC223×104/cmm (142~414×104/cmm), Hb7.4g/dl (4.5~13.8g/dl), WBC10,400/cmm (1,300~179,000/cmm), 白血病細胞百分率32% (0~98%), Thr. 6.6×104/cmm (2.8~49.5×104/cmm), 骨髄所見ではN.C. C.38.0×104/cmm (3.3~103.4×104/cmm), 白血病細胞百分率62.3% (29.0~96.6%), Ebl18.6% (1.2~32.6%) あった. ACRは14mg/m2/日, 2時間の点滴静注で7~10日間の連日投与を原則とし, 末梢血並びに骨髄所見により適宜2コース目を施行した. その結果CRは評価可能12例中5例, 42%に得られたが, hypoplastic leukemia を除くとCR率は10例中5例, 50%で, 病型別検討ではAML, ELにCR例は認められなかったがAMoLでは4例中3例, 75%, AMMoLでは2例中2例と, AMoL, AMMoLに高いCR率が認められた. CR到達に要したACRの総量は140~400mg (中央値200mg), CR到達日数は24~97日 (中央値28日), 60年7月現在でのCR期間は1.3~11.3月 (中央値7.5月), CR例における生存期間は6.6~15.6月 (中央値10月+) であった. 副作用では12例中食思不振9例, 嘔気・嘔吐3例と消化器障害が全例に認められたが循環器障害, 肝障害は認められなかった. 合併症では感染症が8例 (敗血症2例, 肺炎3例, 不明3例), 消化管出血が3例に認められた.高齢者白血病の増加とともにその治療体系の確立が要求されているが, 70歳以上の高齢者ANLL, 特にAMoL, AMMoLに対するACR単独療法は評価し得る治療法と考えられる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []