A CASE OF ESOPHAGEAL HIATAL HERNIA WITH INCARCERATION OF THE GASTRIC ANTRUM AND DUODENAL BULB

2010 
症例は85歳,女性.下部消化管内視鏡前処置の下剤内服中に嘔吐し入院となった.腰部変形性脊椎症と神経因性膀胱の既往がある.上部消化管内視鏡を施行するも胃の変形が著明で前庭部へ挿入できず,上部消化管造影では胃底部,胃前庭部および十二指腸球部の縦隔内への脱出を認めた.胃前庭部および十二指腸球部が嵌頓した混合型食道裂孔ヘルニアと診断した.患者および家族が手術を希望せず,嵌頓腸管の完全閉塞や絞扼の兆候も認められなかったため保存的に経過観察した.入院から約3週間後に通過障害が自然軽快し,上部消化管造影では胃前庭部および十二指腸球部が腹腔内へ還納していた.上部消化管内視鏡は十二指腸下行脚までの挿入が可能となり,胃十二指腸の粘膜に明らかな異常を認めなかった.その後も通過障害を認めず退院となった.胃前庭部および十二指腸球部が嵌頓した混合型食道裂孔ヘルニアが自然還納した極めて稀な症例を経験したので報告する.
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