A Case of Metastatic Carcinoma of Anal Fistula Caused by Implantation from Rectal Cancer

2010 
症例は53歳,男性.7カ月前より下血と肛門痛が出現し,当院を受診した.肛門後方に痔瘻を認め,肛門縁より5cmの直腸に腫瘤を触知した.大腸内視鏡検査で下部直腸に全周性2型腫瘍を認め,直腸腫瘍と痔瘻2次口から突出した硬結部の生検結果は,いずれも高分化型腺癌であった.直腸癌および転移性痔瘻癌と診断し,腹会陰式直腸切断術,D3郭清を施行した.直腸癌は中分化型腺癌で,直腸癌と離れた痔瘻1次口部,2次口部と括約筋間に中分化型腺癌を認めた.原発巣と組織が同一であることから,直腸癌からの管腔内転移を来たした転移性痔瘻癌と診断した. 痔瘻は日常診療でしばしば遭遇する疾患であるが,大腸癌との合併例では転移性痔瘻癌も念頭に置き,通常の痔瘻と異なる所見に注意し,とくに瘻管内の硬結に対しては積極的な生検が必要と考えられる.反対に,痔瘻癌と診断された症例では,大腸の精査を必ずすべきである.
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