SUPERSELECTIVE INTRA-ARTERIAL CDDP INFUSION COMBINED WITH RADIOTHERAPY AGAINST NASAL AND PARANASAL CARCINOMA

1998年から2004年までに久留米大学病院耳鼻咽喉科で放射線治療を併用し選択的動注化学療法を行った鼻副鼻腔癌初治療例28例を検討した。年齢は31～81歳（平均年齢66歳）。男性23例，女性5例。部位は上顎洞21例，篩骨洞1例，蝶形骨洞3例，鼻腔3例で，組織型は扁平上皮癌24例，粘表皮癌1例，悪性黒色腫1例，未分化癌2例であった。放射線治療と同時併用で週1回，計4回施行した。大腿動脈からSeldinger法で急速にCDDP100mgを注入した。奏効度はCRが13例（46%），PRが11例（39%），NCが4例（14%）であった。3年局所制御率，死因特異的生存率は86%，75%であった。上顎癌のT3の3生率100%，T4の5生率72%であった。上顎洞癌で全摘は7例，拡大上顎全摘は1例に行った。局所に対する治療成績は比較的良好であり，臓器温存療法の観点から選択的動注化学療法は鼻副鼻腔悪性腫瘍治療の有力な選択肢である。