Mucosa-associated Lymphoid Tissue in Lymphoma of the Rectum.

2000 
症例は83歳の女性. 排便時出血で受診し, 直腸診で腫瘤を指摘され入院となった. 注腸造影X線検査では上部直腸から下部直腸にかけて半球状の腫瘤を認め, 大腸内視鏡検査では肛門縁から5cmに表面が平滑で中心に陥凹を伴う隆起性病変を認めた. 生検組織診断では上皮の異型はなかった. 以上より平滑筋肉腫を疑い, 低位前方切除術を施行した. 切除標本肉眼所見では3.5×3cmの中心に陥凹を伴う半球状の腫瘍を認め, 病理組織学的所見では腫瘍細胞は主に中型の異型リンパ球でcentrocyte-like cellの形態をとり固有筋層にまで浸潤し, 粘膜ではlymphoepithelial lesionを形成していたが, リンパ節転移はなかった. 以上よりlow grade MALTリンパ腫と診断した. 直腸MALT リンパ腫は自験例を含め本邦では14例しか報告がなく, その検討においても, 局所切除例では再発が50%に認められるため, 正確な診断に基づきリンパ節郭清を含めた根治的切除が必要と考えられた.
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