Neurotological Studies on Peripheral Vestibular Disorders

1982 
過去5年間の末梢性前庭機能異常例はめまい・平衡障害例2546例中, 1173例 (46.3%) に相当したが, とくに, メニエール病48例, 良性発作性めまい42例, 突発性難聴39例 (めまいのない19例を含む) を特定疾患の診断基準に従って選定し, 神経耳科学的に比較検討し, 次の臨床的特徴が得られた.1) メニエール病 (確実例) と発作性頭位めまいは女性に多く, 40才代をピークとしたが, 突発性難聴は圧倒的に男性に多く40~50才代が多かった.2) メニエール病のめまい発作は何等の誘因なく蝸牛症状を随伴・消長して反復する回転性めまいであるが, 良性発作性頭位めまいは一定の頭位変換で誘発される発作性めまいで潜時のある回旋性要素をもつ頭位眼振または頭位変換眼振が誘発され, 検査の反復で減衰する傾向をもった. 突発性難聴にはめまいを随伴する症例があり, 突発性単発性めまい発作を特徴とした.3) メニエール病の聴覚障害は初期には低・中音障害が多く, 聴力の変動と補充現象陽性を特徴とするのに, 発作性頭位めまいでは聴覚障害はめまいと直接的に関連なく変動なく補充現象も低率であった. 突発性難聴の聴覚障害はめまい随伴例に高度で水平型が多く, 聴力恢復の予後が悪かった.4) メニエール病の平衡障害は間激期の検査であるが, 一側の温度眼振反応の低下が患側と一致する傾向を示したのに, 発作性頭位めまいでは回旋性頭位・頭位変換眼振の誘発・減衰を特徴とし, 前庭反応の異常は少ない傾向を示した. 突発性難聴ではめまいの有無に関係なく前庭反応に異常がみられた. これら3疾患は何れも眼運動系に異常なく末梢前庭機能異常の特徴を示した.
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