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Malignant neoplasms in the aged

1987 
高齢者の悪性腫瘍は一般に進行の緩かな場合が多いが, その治療面では困難を伴うことが多くその対策は十分とはいえない. 即ち若年では強固な宿主の故に治療も十分に行うことが出来, 従って進行癌でも完全寛解が比較的容易にもたらされ治癒せしめうることもある. 一方高齢者では宿主の抵抗力が減退し十分な化学療法を行うことが出来ず, 経過は長いとはいえ完全寛解又は治癒を期待することは難しい. 何れにしても宿主の老化を防ぎ, 抵抗力乃至免疫能を上げることが必要となって来る.免疫能の低下した状態にある癌の宿主は化学療法を行うことにより更に低下を来すので, 免疫賦活療法は必要であるが, 特に完全寛解後には再発防止の意味から重要である. 更にこの処置は次に問題となるであろう2次癌, 3次癌の予防にも関係して来ることになる. そこで免疫の老化を防ぎ癌の発生を抑圧する意味からも免疫賦活療法剤乃至BRMを用いることは有意義であると考えて十数年前から免疫賦活剤 (溶連菌剤, 有機ゲルマニウムなど) を発癌操作の直前にこれらを用いた所明瞭な発癌の遅延を認めた. 従って将来治療に行きずまった高齢者の癌の対策として前癌状態或は更に健康状態から癌発生の予防のためにこの様な予防措置が必要となるのではないかと思われる.以上高齢者の癌の対策として治療面に理論的に厚い壁が存在する現在, 今後の問題として同時に予防面の重要であることを強調したい.
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