A long-term follow-up case of chronic periodontitis with pathologic tooth migration

2007 
患者は,上顎右側側切歯部の歯肉出血を主訴に,1989年6月に来院した45歳男性である.歯周炎の進行に伴う2次性咬合性外傷による上顎前歯部の病的移動,正中離開や臼歯部の咬合崩壊が進行しつつある慢性歯周炎と診断した.歯科医師と歯科衛生士による歯周基本治療により,炎症と咬合をコントロールし,正中離開は自然閉鎖した.その後,サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)により17年間安定した予後を得ている.すなわち,初診時,現在歯数28歯,クリニカルアタッチメントレベル(CAL)とプロービングデプス(PD)平均およびPD4mm以上の部位は,それぞれ,3.0mm, 2.9mm, 37部位(22.2%)であった.2006年10月には,PD4mm以上の部位はなく,CAL2.7mm, PD2.3mmと付着を喪失することなく経過している.歯周炎に関する主訴が改善されるとSPTが中断することがあるが,本症例では,初診時より17年間,治療を中断することなく継続できた.その背景には,患者の健康を維持したいという思いに対して適切に対応することで,歯周組織が長期的に良好に維持できることが示唆された.
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