A case of pancreatic mucinous cystic neoplasm : long-term follow-up with ultrasonography

2011 
膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)は比較的稀な疾患であり,長期にわたり経過観察された報告は少ない.今回5年間の経過中,画像上多彩な変化を認め,自然経過を知る上で興味深い症例を経験した.また,診断には超音波検査(US)時のボリュームデータから作製したvirtual sonographic cystoscopyが有用であった.症例は50歳代女性.既往歴に特記事項なし.左側腹部痛を訴えて受診し,初診時のUSで膵体尾部に24mm大の単房性嚢胞を指摘された.MRCPでは嚢胞の尾側の膵管拡張を認め,ERPでは嚢胞は造影され主膵管との交通が明らかとなった.上流側の主膵管は造影されず,小膵癌によるretention cystやIPMCを疑ったが,膵液細胞診は陰性であった.経過中の嚢胞径は概ね15-20mm大であったが,腹痛を伴う一過性の嚢胞径増大(26mm大)を認め,膵炎による仮性嚢胞の可能性も示唆された.5年後のUSでは隔壁を疑い,Sonazoid®造影3DUSでcyst in cystが明瞭に描出されMCNを疑った.3ヵ月後に嚢胞径は30mm大に増大,より細かいcyst in cystが描出された.また,virtual sonographic cystoscopyでは平滑な球状の内腔面とcyst in cystを立体画像で表示でき,画像上MCNと診断した.切除手術の結果,病理組織学的にMCNと確定診断された.本例は当初,主膵管と交通する単房性嚢胞として発見され,長期間の経過中に嚢胞径の増大やcyst in cystの出現という多彩な変化を来し,臨床的に診断の難しい症例であったが,最終的にはUSで画像上典型的なMCNの像を呈し,診断に有用であった.
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