異なる測定キットを用いたフローサイトメーター2機種間のCD34陽性細胞数測定の比較 : Cytomics FC500とFacs Calibur

2007 
造血幹細胞のCD34陽性細胞測定にフローサイトメーターが用いられているが, 測定方法の違いによりその値が異なることが報告されている. Cytomics FC500とFacs Caliburを用いて計131検体 (末梢血75件, 末梢血幹細胞採取 (PBSC) 40件, 凍結解凍PBSC16件) を測定し, CD34陽性率および陽性細胞数を解析した. CD34陽性率は両機種間で高い相関 (末梢血でR2=0.980, PBSCでR2=0.979, 解凍PBSCでR2=0.979) を認めた. CD34陽性細胞数絶対値も両機種は良い相関を示した (末梢血 ; R2=0.975, PBSC ; R2=0.971, 解凍PBSC ; R2=0.678). PBSCと解凍PBSCにおけるsingle-platform法とtwo-platform法の比較ではCytomics FC500, Facs CaliburともにCD34陽性細胞の絶対数に有意な差は認められなかった. だが, 末梢血検体では両機種ともtwo-platform法はsingle-platform法よりも, CD34陽性細胞数が有意に低値だった (Cytomics FC500 : p=0.005, Facs Calibur : p=0.0004).また, CD34陽性細胞測定における誤差要因をCytomics FC500で調べた. single-platform法, two-platform法ともに希釈前後で有意差はなかった. 次にビーズを添加する際の誤差を見るため, 既にビーズが入っているTrucount Tubeを使用した場合と, 後でビーズを添加した場合で比較した. Trucount Tubeを用いた検体では後でビーズを添加した検体に比べて有意にCD34陽性細胞数が高く, 最もばらつきが少なかった.今回の結果から, 異なる機種でも絶対値測定用ビーズを用いるsingle-platform法は同値のCD34陽性細胞が得られたため, 国際血液療法標準化学会が推奨する施設間差の少ない値が得られると考えられた. 特に, Trucount Tubeを用いると再現性の良い結果を得られることが分かった.
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