Carnitine metabolism and its relation to nutritional parameters in patients with peritoneal dialysis

2002 
腹膜透析 (PD) 患者におけるカルニチン動態と栄養指標との関連について検討した. PD患者51名 (男性28名, 女性23名) を対象として, カルニチン分画を血清, 尿, PD排液で測定した. 透析量 (クレアチニンクリアランス (W-Ccr), KT/V), 腹膜平衡試験 (PET) および栄養指標として身体構成成分計測 (生体インピーダンス法), 標準化蛋白異化率 (nPCR) を計測しカルニチン濃度との関連を検討した.血中総カルニチン (37.9±8.3μmd/L), 遊離カルニチン濃度 (FC: 24.9±5.6μmol/L) は減少していたが, 血中アシルカルニチン濃度 (AC: 13.0±3.7μmol/L) は正常範囲内であった. 尿のAC/FC比は, 透析液に比して5倍高かった (2.10±1.13vs0.42±0.09). 腹膜のFC clearanceはAC clearanceに比し有意に高く (5.3±1.3L/day vs4.3±1.5L/day, p<0.001), 腹膜からのFC喪失量は, 透析液量と直線的な相関関係にあった. また残腎機能は血中AC濃度, AC/FC比と負の相関があった. しかし血中カルニチン濃度とKT/V, PETには相関関係はなかった.血中カルニチン濃度は, 身体構成成分 (体重, LBM, BMI) および血清クレアチニン, アルブミンと正の相関があり, カルニチン総排泄量 (尿+PD排液) はプレアルブミン, アルブミン, nPCRと正相関があった.残腎機能は尿中へのAC排泄の重要な役割を果たしており, 透析液量は腹膜からのFC喪失に影響していた. またカルニチンの血中濃度および総排泄量は, PD患者での種々の栄養指標と関連していた.PD患者において, 良好なカルニチン動態および栄養状態を保ち, その悪化を防ぐためには残腎機能を保持しながら, カルニチン欠乏が示唆される例では経口的なカルニチン補充が必要である.
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