Hemodialysis patient presenting with frequent abdominal angina due to stenotic lesions restricted to the inferior mesenteric artery

2004 
症例: 66歳, 男性. 平成5年12月より糖尿病性腎症による慢性腎不全のため維持透析を受けていた. 平成14年3月21日, 夕食後約1時間より左臍周囲痛が出現し, 徐々に増悪したため, 翌22日に当院へ緊急入院となった. 以後, 同様の腹痛にて計5回の入退院を繰り返した. 血液データ上炎症反応を認めず, 腹部CTにて上腸間膜動脈 (SMA) および下腸間膜動脈 (IMA) の壁に石灰化がみられた. 血管造影では腹腔動脈 (CA) およびSMAの描出は良好なるも, IMA領域では, 本幹の狭窄像とその末梢動脈に内腔狭窄と考えられる造影不良領域を認めた. いずれの領域にも血栓形成はみられなかった. また, 胃カメラ, 注腸および大腸鏡では, 異常を認めなかった. 以上の臨床経過と検査所見より食事により誘発された腹部アンギーナと診断した. しかし, 血管造影で, IMA本幹の狭窄に加え, さらにその末梢動脈におけるびまん性の内腔狭窄が強く疑われたことから外科的治療の適応はないと判断された. 退院後は, 関連透析施設にてドライウェイトを甘めにするなどの管理にとどまっている. 主な3本の腹部臓器動脈である, 腹腔動脈, 上・下腸間膜動脈の間には豊富な側副血行路が発達しているため, 腹部アンギーナの出現に関する過去の報告例では, これら3本の主幹動脈のうち2本以上が関与する例が大多数を占めている. 本例は, IMA領域のみの慢性虚血が原因と考えられたまれな1例であった.
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