Analysis of bone alkaline phosphatase by ELISA methods in renal osteodystrophy

1997 
慢性腎不全患者の血漿中に存在する骨型アルカリフォスファターゼ (bone ALP) を特異的なモノクローナル抗体を用いたELISA法にて測定し, 総ALP, およびセルロースアセテート膜電気泳動法で得られた3型のALP (ALP3) と比較した. 骨代謝回転を亢進させる副甲状腺ホルモン (PTH) との関係では, intact PTHとbone ALPとの間に他のALP測定法よりも有意に高い相関係数が得られた (intact PTH vs ALP: r=0.497; intact PTH vs ALP3: r=0.427; intact PTH vs bone ALP: r=0.667). また, 骨形成のマーカーであるオステオカルシン (BGP) では, 2種の測定法とも3種のALPのうち骨型ALPとの間に有意に高い相関係数が得られた (BGP vs ALP: r=0.548; BGP vs ALP3: r=0.505; BGP vs bone ALP: r=0.750) (intact BGP vs ALP: r=0.421; intact BGP vs ALP3: r=0.414; intact BGP vs bone ALP: r=0.680). これらの結果より, 慢性腎不全患者においてELISA法による骨型ALPは3種のALP測定のなかで最も有用であると考えられた.さらに, 副甲状腺機能が比較的低い時にbone ALPが骨形成マーカーとして有用であるかを検討するため, 血液透析患者においてPTHが比較的低値と考えられるintact PTHが200 pg/ml未満の症例において, 3種のALPとintact PTHとの関係を検討した. 血液透析患者60例中32例がintact PTHが200 pg/ml未満であり, この32症例においてintact PTHと総ALPおよびALP3では有意な相関関係は得られなかったが, intact PTHとbone ALPとは相関係数0.43で危険率1%以下の有意な正の相関を認めた. このことから, bone ALPは低回転の骨の病態をも反映し得る骨代謝マーカーとなる可能性が示唆された.
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