A CASE OF PERIARTERITIS NODOSA ASSOCIATED WITH PRIMARY HEPATITIS-B VIRUS INFECTION WHICH RESPONDED TO PULSE THERAPY

1983 
症例は30才,男子で,発熱,皮疹,関節痛,腹痛,粘血便を主訴として入院した.その後,回腸壊死によるイレウス症状を呈し,開腹手術を施行.切除した回腸組織は典型的な多発性動脈炎の組織像であつた.手術後,パルス療法に引き続いてステロイド大量投与を行ない,腹部症状,皮疹,その他の臨床症状も急速に改善した.また,本症例は入院時HBs抗原が陽性であり,その後, GPT上昇, HBs抗原陰性化, HBc抗体, HBs抗体陽性となり, HBウイルス初感染後のB型肝炎の像を示した.多発性動脈炎の死亡率は高く,特に消化管症状を呈するものの予後は不良であるとされている.本症例は早期手術と,ステロイドホルモンの大量投与により救命し得た例であり,特にパルス療法の効果が著しく,多発性動脈炎に対するパルス療法の有効性を示した1例である.さらに,最近多発性動脈炎の病因として, HBs抗原抗体複合物の関与が注目されており, HBs抗原陽性例の報告が欧米では多い.本邦ではこの様な例はきわめて少ないが,本症例は, HBウイルス初感染時に多発性動脈炎を発症した例で, HBウイルスの多発性動脈炎発症への関与を示唆する貴重な1例と考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []