Clinical and pathological studies in severe alcoholic hepatitis.

1987 
アルコール性肝炎73症例を対象とし,その中で急性肝不全様状態を呈した重症アルコール性肝炎(SAH)8例の臨床像,病理組織学的所見の特徴を検討した.SAHでは全例プロトロンビン値50%以下を示し,8例中7例が肝性脳症を呈し,腎不全や肺炎などの合併症を伴い,断酒後約1ヵ月以内に死亡した.剖検が出来た4例全例で肝臓は著しい肝細胞壊死を伴うアルコール性肝炎の組織像を示し,種々の臓器の腫大を伴い,肺炎,急性腎不全,心嚢炎,急性膵炎のいずれかを伴っていた.SAHでは肝腫大,発熱,白血球増多が著しく,血清BUNやクレアチニン値の上昇を示す例が多い.さらに,7例全例がエンドトキシン血症を示し,血中免疫複合体の出現頻度も高く,肝シソチグラムでも肝でのRIのuptakeの著しい低下がみられた.このようにSAHでは網内系機能不全の状態にあり,多臓器不全を来たして死亡する例が多い.
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