Serum .ALPHA.1-Antichymotryspin in Senile Dementia.

糖蛋白であるα1-Antichymotrypsin (ACT) は老人斑の主要構成成分の一つで, 近年痴呆の早期診断マーカーとしての有用性が報告されている. 我々は高齢者385名の血清ACTを double antibody radioimmunoassay 法で測定し, Alzheimer 型老年痴呆 (SDAT) 症例, 脳血管性痴呆 (VD) 症例, 健常者において比較検討した.本法での血清ACT濃度は健常老年者333名では0.229mg/mlであり, 従来の方法よりもかなりの低値を示していた. 痴呆症例では, VD 25例では0.226mg/mlと健常者と同じ濃度であったが, SDAT 27例では0.309mg/mlと有意に高値を示し (p<0.01), 血清SDAT早期診断マーカーとしての有用性が確認された.