Three elderly cases suffering from renal cell carcinoma with pancreatic metastasis

1991 
悪性腫瘍の膵転移は決して稀なものではないが, 胃ガン, 血液悪性疾患, 胆道系悪性腫瘍, 肺癌が多いとされており, また, 原発巣がどこであれ, 生前に診断されることは比較的まれとも言われている. 一方, 腎臓癌の転移に関しては, 肺, 骨, 他方の腎, 脳などに多いとされ, 膵臓への転移はま稀である. 我々は, 膵臓に転移した高齢者腎臓癌の3症例を経験したので報告する. 症例1は, 80歳の女性で, 21年前に左腎臓癌で手術を受けている. 5年前に腹部腫瘤を指摘され, 本院にて手術を実施した. 術中所見, および組織診にて膵臓に転移した腎臓癌と判明した. 本例は, 特に化学療法などを実施していないが, 現在まで元気に過ごされている. 症例2は, 78歳の女性で, 2年前に右腎臓癌にて手術を受けている. その後の外来通院中に, 膵臓への多発性転移を指摘されている. 症例3は, 78歳の男性で, 7年前に右腎臓癌を指摘されたが, 手術を拒否. その後, 肺転移, 骨転移が出現している. 1年前より膵頭部に腫瘤が認められるようになり, 軽度ながら, 胆道系, 膵管系の拡張も出現してきている. 症例2, 3は膵腫瘍の組織診が得られていないが, 臨床経過やその他の検査成績より腎臓癌の転移と考えた.
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