Effectiveness of autologous implantation of bone marrow-mononuclear cells for severe limb ischemia: clinical analysis including hemodialysis patients

2004 
近年, 自家骨髄細胞移植を用いた血管新生療法が重症心筋虚血や重症下肢虚血に対して臨床応用されるようになりその高い治療効果に多くの期待が寄せられている. しかしその臨床報告はまだ少なく, 特に透析患者に対する原著報告は未だない. 今回われわれは透析患者2例を含む末梢動脈疾患6例に対して自家骨髄細胞移植を施行し, その有効性を検討した. 症例はすべてFontaine IV度の末梢動脈疾患の患者で, 経皮的血管拡張術 (PTA) や血行再建手術の適応なく, 保存的治療にて増悪傾向を示した患者である. 自家骨髄単核細胞移植を行った6例中, 5例は著効を示したが1例のみ無効であった. スコア化した治療効果は糖尿病や透析に関係なく, 移植細胞数と有意な相関を示した (r=0.850, p=0.032). 治療が無効であった症例は透析患者であったが, 移植細胞数が極端に少なく, このために治療が無効であったと考えられた. また, 骨髄採取に先だって施行した試験的骨髄穿刺によって得られた骨髄単核細胞中のCD34陽性率は実際の治療で採取された体重1kgあたりの骨髄細胞数と強い相関 (r=0.854, p=0.031) を認めた.糖尿病や慢性腎不全では種々の基礎的研究から血管新生が抑制されていることが予測されるが, 今回の検討では十分な移植細胞数が得られればそれらの疾患においても本治療は有効であると考えられた. また, 試験的骨髄穿刺による細胞解析 (CD34陽性率) は採取される骨髄細胞数を予測しうることが示された.
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