A case of tertiary hyperparathyroidism associated with chronic hemodialysis

1987 
慢性透析患者に二次性副甲状腺機能亢進症 (過形成) を合併することは周知であるが, 自律性を獲得した腺腫を伴うことは稀である. 今回, 我々は腺腫形成による三次性副甲状腺機能亢進症と考えられる1例を経験したので報告する.症例は42歳, 女性, 昭和53年12月より慢性糸球体腎炎による腎不全のため血液透析を継続. 昭和60年4月, 左結節性甲状腺腫を疑われ当科入院. 甲状腺の99mTcシンチグラフィーでは左葉上極に陰影欠損を, 201TIシンチグラフィーでは同部位に異常集積を, CTでは甲状腺左上葉に正常部を圧排する不均一なlow density mass, それぞれを認めた. また, 臨床検査上血清Ca (12.2mg/dl), イオン化Ca (5.6mg/dl) が高値にもかかわらずPTH-C (34.0ng/dl) は高く, これはアルミゲル投与により高P血症の改善 (7.2→2.3mg/dl) 後も持続した. 以上より, 三次性副甲状腺機能亢進症または副甲状腺癌を疑い, 外科手術を施行した. 手術所見では, 副甲状腺は全て腫大し, 特に左上腺は17×13×8mmと巨大化していた. 術中迅速標本の組織所見で副甲状腺癌が疑われたため, 副甲状腺4腺全てを摘除した. 最終的な組織学的診断では, 1個に周囲を圧排する副甲状腺腺腫と, 他の3個の副甲状腺に過形成を認めたが, 被膜浸潤や核分裂像などの悪性所見はなく, 三次性副甲状腺機能亢進症と確診された. 透析患者で組織学的に確認された三次性副甲状腺機能亢進症は本邦では5例目と考えられ, 考察を加えて報告した.
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