The patho-histological differences among mesenterium, abdominal and dorsal part of parietal peritoneum in CAPD cases

2004 
被嚢性腹膜硬化症 (EPS) はCAPDの重篤な合併症であるが, 病理組織学的には腹膜の線維化と硬化の進行がみられる. 通常腹膜生検は切除しやすい臍側で行われる. しかし背側でも生検結果は同様であろうか. 最近開腹を行った3例で異なった部位での生検を行いそれについて検討した.CAPD歴9年の症例では臍側, 腸間膜, 背側, 計3箇所の腹膜の病理組織学的変化を観察した. 結果, 中皮細胞は腸間膜にのみ存在, 腹側と背側には認められなかった. 腸間膜の変化は線維性肥厚のみであった. さらに細小動脈血管の壁肥厚, 内腔狭窄・閉塞は背側腹膜にのみ観察された. 従って腸間膜は中等度の腹膜線維症, 腹側腹膜が初期の腹膜硬化症, 背側腹膜が中期の腹膜硬化症であった. すなわち背側の腹膜が最も劣化していた.CAPD歴1年と3年の2症例では臍側と背側で同様の検討を行ったが, いずれも軽度の腹膜線維症で部位的な差は認めなかった.CAPD症例において腹膜生検はその継続か中止かの決定に有用であるが, このようにCAPD歴が長くなった場合背側の腹膜が最も劣化していることがあり, 腹膜機能評価時にはこのことを念頭におく必要があると考えられた.
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