Impact of plasma adiponectin concentration on left ventricular mass index in hemodialysis patients

2006 
アディポネクチン (ADPN, 基準値5-10μg/mL) は抗動脈硬化作用および抗糖尿病作用をもつアディポサイトカインで, 非腎不全および腎不全患者における心血管リスクの減少や肥満やインスリン抵抗性の改善に関与している. 近年, ADPNがAMP activated protein kinase (AMPK) の活性化を介して, 左室肥大 (LVH) を抑制する働きもあるという報告がなされている. このことが血液維持透析患者にも当てはまるかは明らかにされていない. 今回われわれは当院における維持血液透析患者40人を対象に2年間にわたって心エコーによる左室心筋重量係数 (LVMI) の変化とADPNとの関連について検討した.結果, (1) 透析患者のADPNは糖尿病性腎症・男性: 15.8±5.3μg/mL, 糖尿病性腎症・女性: 14.1±6.4μg/mL, 非糖尿病性腎症・男性: 16.6±5.2μg/mL, 非糖尿病性腎症・女性: 16.1±6.5μg/mLであり, 各群で上昇していたが, 各群間で有意差はなかった. (2) LVMIの悪化群 (Progression: P群, LVMI: 120.9±39.2→174.6±60.5g/m2) は改善群 (Regression: R群, LVMI: 136.6±37.2→106.4±32.0g/m2) にくらべADPNの値は低値であった (13.1±4.6 vs. 18.3±5.8μg/mL, p=0.003). (3) ロジスティック回帰分析を用い多変量解析を行い, ADPN [オッズ比 (95%信頼区間) =0.815 (0.669-0.993), p=0.042] および収縮期血圧 [オッズ比 (95%信頼区間) =1.886 (1.019-3.493), p=0.042] が有意な因子として選択された.血液維持透析患者においてもアディポネクチンが左室肥大の抑制に関与している可能性が示唆された.
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