The relationship between the aortic pulse wave velocity and osteoporosis in elderly women

1991 
骨粗鬆症にともなう骨量 (BM) の減少は動脈硬化の危険因子の一つと考えられているが, 両者の関連性について骨代謝の面から検討した報告は少ない. 今回, 我々は骨粗鬆症が好発する老年女性において, 骨形成の指標である血清アルカリフォスファターゼ (ALP) の大動脈脈波速度 (PWV) とBMの関係に対する影響について検討した.対象は53~93歳, 平均73.8歳の女性20例である. 動脈硬化度の指標として, 大動脈脈波速度 (PWV)を測定した. BMはX線CT法を用い, 骨量ファントムを標準として得られた腰椎海綿骨に対応するCaCO3相当量とした. ALPについては正常値の中央値である180IU/lを境として, ALP≧180 (高値群11例) とALP<180 (低値群9例) の2群に分けて, PWVとBMについて検討した.年齢とPWVおよびBMにはそれぞれr=0.466, r=-0.487の有意な相関が認められた. ALP高値群と低値群の2群間で年齢, PWV, BMについて有意差はなかった. PWVとBMの関係の検討ではALP高値群ではr=-0.728の有意な負相関が認められたが, 低値群では相関は認められなかった.ALPが比較的高値を示す群でPWVとBMに強い負相関が認められたが, 低値群では相関はなかった. 骨代謝上, ALPが比較的高値を示すような骨吸収および骨形成の回転率の高い状態にある老年女性では, 大動脈硬化度と骨粗鬆症の程度の間に関連性があると考えられた.
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