Morphine toxicity in end-stage renal disease

1995 
維持血液透析患者においてmorphine製剤投与により意識障害を呈した2例を経験したので報告する. 症例1: 46歳女性. 血液透析歴6か月. 肺癌の多発骨転移による疼痛に対して硫酸morphine徐放錠を20mg/日で投与したところ, 投与3日目で強い眠気を訴え, 4日目に半昏睡状態となった. morphine製剤の投与中止後, 徐々に意識状態は改善したが, 会話が可能となるまで約10日を要した. 症例2: 71歳男性. 血液透析歴5年. 前立腺癌の多発骨転移による疼痛に対して硫酸morphine徐放錠20mg/日を2日間, 10mg/日を25日間投与したところ傾眠傾向が出現した. 同剤の投与を中止後, 傾眠傾向は消失した.これら2症例は血液透析を受けていないmorphine被投与例 (7例) と比較して, 血清morphine濃度は比較的低値であったが, その主要代謝物であるmorphine-6-glucuronide (M6G) とmorphine-3-glucuronide (M3G) の濃度は高値であった. 腎不全患者において, M6G, M3Gが蓄積性を持つことやM6Gがmorphineの活性代謝産物であることが知られており, M6Gの蓄積が両症例での意識障害の原因と推定された. 血液透析患者に対してmorphineを使用する際には, M6Gの蓄積による意識障害が容易に起こるため, 投与量の決定に慎重な配慮が必要と考えられた.
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