An autopsy case of Wilson's disease complicating fatal acute liver failure and hemolytic anemia after discontinuation of therapy.

1992 
症例は16歳女性.兄がWilson病.10歳時に家族検査を受けWilson病と診断された.診断時に肝機能異常を認めたため,D-penicillamineによる治療が開始され無症状で経過していた.15歳時に治療を自己中止し,その約8ヵ月後に,全身倦怠感と黄疸が出現し入院した.急性肝不全と溶血性貧血を呈していたため,D-penicillamineの投与を再開しG-I療法を行った.その後脳症が出現し,血漿交換を施行したが第10病日に肝不全で死亡した.剖検にて肝は小結節性肝硬変を呈し,組織学的には広範な肝細胞の壊死を認めた.Wilson病はpenicillamine療法など適切な治療が行われれば,肝硬変が存在していても比較的予後良好な経過をとることが多いとされている.一方,治療中止により急性肝不全を呈し死亡する場合があることが報告されているが,本邦ではまれである.治療を中断することの危険性を再認識する必要があると考えられたため報告した.
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